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中国、無人コンビニバブル崩壊!「中国スゴイ!」も一体なぜ?

無人コンビニmoby mart

「中国スゴイ!」という文脈で、中国にあるガラス張りの無人コンビニがしばしば取り上げられました。2017年から2018年にかけてのことです。

QRコードによるキャッシュレス決済やシェアサイクルの次のネタとして使われたのです。

しかし、その”無人コンビニ”が中国では大変残念なことになってしまいました!

「無人コンビニ」のその後を追いました。

参考記事:山谷剛史

衝撃の”レジなしコンビニ”、「Amazon Go」

2016年12月、世界に衝撃が走り一気に無人コンビニ実現の機運が高まることとなったレジなしコンビニ「Amazon Go」

世界中が注目した「無人コンビニ市場」

その後日本でも2017年2月にローソンとパナソニック連合の実験店のテストを終え、2017年4月にはコンビニ大手5社が連携し経済産業省などの協力を仰ぎつつ2025年までに全店舗でICタグを用いる手法(RFID)によってレジの無人化をめざすと発表されている。

その後、中国を代表するネット企業「アリババ(阿里巴巴)」が「ニューリテール(新小売)」なる概念を提唱し、「新しい小売業」と完全無人コンビニ『タオカフェ』コンセプトの発表が行われた。

『タオカフェ』とは

タオカフェは、2017年7月8日から12日の間中国で試験的に開設されたカフェ。

200平方メートルほどの店内には雑貨や土産物が並び、コーヒーなどを注文できる飲食スペースもある。

入店時にスマートフォンアプリで認証を行った後は、財布を開く必要も決済を行う必要もない。

商品を受け取って、店を出るだけだ。

アリババは、ECサービス「淘宝(タオバオ)」、電子マネー決済を行う「Alipay(アリペイ)」といったオンラインサービスを運営している。

このタオカフェでは、これらの仕組みを活用し、さらに、人工知能技術や生体認証技術を組み合わせて、タオカフェを実現している。

参考:ビジネスIT

まさにAmazon Goと同じような技術を取り入れており、店内のカメラやセンサーから解析を行い、人工知能を活用することによって、お客さんが手に取った商品や、飲食したものを特定し、消費を特定する仕組みである。

決済システムの手法は、Amazon Goとは異なるが、全体的にアリババが運営する「タオカフェ」の商品選別システムの仕組みは、実はAmazon Goの基本的な仕組みと極めて類似しているといえる。

Amazon Goの設計に携わった中国人がアリババに!

なんと、Amazon Goを設計するにあたって、インテリジェンスアルゴリズムを設計したといわれている中国系科学者、Ren Xiaofengが、すでにアリババに移籍していたのである。その彼が、アリババに移籍したのちに、主導したはじめのプロジェクトが、この「タオカフェ」の設計プランだったと言われている。

無人コンビニ業界、世界中で戦国時代へ

その後、中国では「タオカフェ」の他にも「Take Go」「BINGO BOX」など、無人コンビニがドンドンと開業し、新しい試みが繰り広げられていった。

参考:Glo Tech Trends

突如訪れる、無人コンビニバブルの崩壊

「無人コンビニ」は「面積は小さいのでテナント料は安い」「無人なので人件費も少ない」「だからすぐ儲かる」という論法で小売りの未来を提示しました。

華々しく登場して、海外にまでその存在が驚かれた無人コンビニですが、ビジネスモデルとしては成功しなかったと結論づけられそうです。

無人コンビニ関連企業には2017年には93件、総額にして43億元(約645億円)の投融資があったと報じられています。ところが2018年以降、無人コンビニは企業を問わず閉店していきます。

経営は赤字、リストラの決行へ

無人コンビニを代表する「BingoBox」は2017年9月に北京で第1号店が誕生。
2018年6月には400店舗まで増えたBingoBoxですが、同社は毎月500万元(約7500万円)の赤字を出し続けたと報じられています。

2018年には社内のリストラを開始し、160店舗を閉店。最も大胆なリストラを行った2019年1月には、1週間で社員を100人以上カットしたといいます。

最盛期には500人いた社員も最終的に100人まで減少。
同社は、広東省など華南地方などから完全に撤収し、北京などごくわずかな店舗だけが残る結果となっています。

実は、お客からすると「面倒」だった!?

「無人コンビニは」一般的なコンビニと比べても運用コストはわずか15%に削減できるとしています。

建設設置コストは8万元(約120万円)で、純利益は25%前後。
1日の売上が1000元(約1万5000円)なら2年で回収できるという計算でした。

ところが、ほとんどの店舗で売り上げが伸びませんでした。

無人店は路面にあります。高層マンションが建ち並ぶ都市で、1階まで下りれば個人商店やコンビニやスーパーなど様々な商店の選択肢があります。

わざわざ「スマホでアプリを起動して…」「ドアロックを解除して…」なんて面倒くさいことをするよりは、馴染みの店でさっと買ったほうが手っ取り早いものです。

結果、お客が定着せずドンドンと衰退の一途をたどっていきました。

参考:PRESIDENT Online

まとめ

まさかのお客離れが「面倒だから」という事実。

確かに「無人コンビニ」が出た時は衝撃的だったと思います。

とても近未来を感じる物がありました。

しかし、蓋を開けてみると「最新技術の押し付け」という感覚が否めないように思えてなりません。

確かに、「無人コンビニ」という形態は論法的には間違っていないのでしょう。

コストが下がり、決済手続きも不要。
良い事づくめに見えていました。

しかし、利用ユーザーに対するユーザビリティの低さなどの考慮がズサンだったという一点が今回の「無人コンビニ」の敗因ではないでしょうか。

つまりは、このユーザービリティを解消することが出来れば、「無人コンビニ」市場が息を吹き返す未来も見えてきそうですね。

今後はAIによる自動化がドンドン進んでいきます。

今回の失敗は、その未来へ一石を投じる役目としては十分だったのではないでしょうか。